治療について

当院で現在取り組んでいる治療について。

再生医療(脂肪幹細胞療法)

脂肪幹細胞 細胞写真 脂肪幹細胞 プロトコールを簡略図

様々な器官や組織に分化する機能を持つ細胞を幹細胞といいます。幹細胞療法とはこの幹細胞を体外で培養し体に戻し治療する方法です。当院で行っている幹細胞療法は、皮下脂肪に含まれている脂肪幹細胞を用いるものです。現在主に椎間板ヘルニアに対してこの治療法を用いています。全身麻酔あるいは局所麻酔を行い1cm大の脂肪を採取します。採取した脂肪から脂肪幹細胞だけを分離し、2週間培養した後にワンちゃんネコちゃんの体の中に戻します。従来の手術と異なり大きな傷を作らず治療する事が可能になりました。手術したにもかかわらず歩行困難だった動物が歩けるようになる可能性もあります。

 

治療前
治療後

高濃度ビタミンC点滴療法

ビタミンCは抗酸化剤として有名ですが、高濃度に投与した場合、ビタミンCが酸化される過程で体内に過酸化水素が生じます。正常な細胞では過酸化水素は、細胞内の酵素により水に分解されます。しかし癌細胞は、この過酸化水素を分解する酵素を持っていないため死滅してしまいます。当院では、癌の再発や転移防止のため高濃度ビタミンC点滴を用いています。高濃度ビタミンC点滴の最大の利点は、副作用が極めて少ないという点とQOL(生活の質)の維持が可能な点です。

オゾン療法

オゾンとは、地球の成層圏に多く存在する物質で、オゾン層を形成しています。オゾンには紫外線を吸収する作用があり、皮膚がんや悪性腫瘍の発生から我々を守ってくれています。生体に対するオゾンの効果として、殺菌作用、鎮痛消炎作用、血行促進作用、創傷治癒促進作用、免疫系の機能調節作用などがあります。当院ではこれらの作用を利用して、癌の再発や転移防止、ネコちゃんの慢性腎不全の維持、ケガの治療、外耳炎の殺菌消毒などに用いています。